耐火建築物と準耐火建築物の違いを徹底比較!防火地域・準防火地域の法律要件も解説

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目次

はじめに

建築設計や土地活用を検討する際、避けて通れないのが「耐火建築物」「準耐火建築物」の区分です。どちらも火災に強い建物であることに変わりはありませんが、その性能や建築基準法上の扱いは大きく異なります。さらに、建設予定地が「防火地域」なのか「準防火地域」なのかによっても、求められる仕様が自動的に決まってくるため、非常に複雑に感じる方も多いのではないでしょうか。

「自分の計画ではどちらにするべきか」「コストやデザインにどう影響するのか」。こうした疑問を解消するためには、両者の定義とエリアごとの規制をセットで理解することが近道です。

この記事では、耐火建築物と準耐火建築物の比較を行い、それぞれの特徴や法律上の要件、さらには「イ準耐」「ロ準耐」といった実務的な区分についても分かりやすく解説します。


本文

耐火建築物と準耐火建築物の決定的な違い

まず、両者の定義の違いについて明確にしておきましょう。「耐火建築物」とは、火災が終了するまで(鎮火するまで)の間、建物の倒壊や延焼を防ぐことができる極めて高い耐火性能を持つ建物を指します。鉄筋コンクリート造(RC造)などが代表的で、火災時にも建物自体が耐え抜くことが求められます。

一方で「準耐火建築物」とは、火災発生から一定の時間、建物の倒壊や延焼を抑制する性能を持つ建物のことです。耐火建築物ほどの強度や長時間耐久性は求められませんが、一般的な木造住宅に比べると格段に燃え広がりにくい構造をしています。実務的な視点で比較すると、耐火建築物はコストが高くなりやすい反面、階数や規模の制限が少なくなります。対して準耐火建築物は、一定のコストを抑えつつ木造での設計が可能になるなど、柔軟性が高い点が特徴です。

建設地で決まる?防火地域と準防火地域の制限

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建物をどちらの構造にするかは、施主の希望だけで決められるものではありません。その土地が都市計画法上のどのエリアに属しているかが大きく関わってきます。特に駅前や幹線道路沿いなどの「防火地域」では規制が最も厳しく、3階建て以上または延べ床面積100㎡を超える建物は、原則として耐火建築物にしなければなりません。

これに対し、住宅地などに広く指定される「準防火地域」では、規制がやや緩和されます。ここでは一定の要件を満たせば、3階建てであっても準耐火建築物として建てることが可能です。このエリア区分を正しく把握することは、建築コストやプランニングの自由度を大きく左右します。

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準耐火建築物の種類「イ準耐」と「ロ準耐」

実務においてさらに踏み込んで理解しておきたいのが、準耐火建築物の中に存在する「イ準耐」「ロ準耐」という区分です。これらは法律上の条文(建築基準法第2条第九号のロ)に基づく通称で、求められる耐火時間の長さや構造方法に違いがあります。

「イ準耐」は、主要構造部(壁・柱・床・はり・屋根・階段)に対して45分または1時間の耐火性能を持たせたもので、準耐火建築物の中でも比較的性能が高いタイプです。一方、「ロ準耐」は、外壁や軒裏の防火措置を重視したもので、一般的にはイ準耐よりも設計のハードルが少し下がります。例えば、木造で「梁を見せるデザイン(現し)」にしたい場合、燃え代設計を用いることで活用できるイ準耐が採用されるケースが多いです。

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まとめ

本記事では、耐火建築物準耐火建築物の構造的な違いや、防火地域・準防火地域との関係、さらには「イ準耐」「ロ準耐」といった詳細な区分について解説しました。

建築物を計画する際は、単に「燃えにくい建物」を作ればよいわけではありません。その土地にかかる法律の制限を正確に読み解き、コストパフォーマンスとデザイン性を両立させる最適な構造形式(イ準耐なのかロ準耐なのか、あるいは耐火建築物必須なのか)を選定する必要があります。

これらの知識を正しく活用することで、法適合はもちろんのこと、クライアントにとっても安心で満足度の高い建築提案が可能になるでしょう。

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