小規模事業者持続化補助金とは?商工会議所の支援で採択率を高める申請方法と対象経費【建設業向け】

小規模事業者持続化補助金は、販路開拓に使える国の補助制度です。商工会議所の支援を受けつつ、対象経費や申請方法を押さえれば建設業でも活用できます。

「結局いくら出る?」「採択率はどのくらい?」「何に使える?」といった疑問は、公募要領(ルールブック)に沿って整理するとスッキリします。この記事では、制度の定義から実務の注意点まで、現場目線で要点をまとめます。

📋 この記事でわかること

  • 小規模事業者持続化補助金の定義と、商工会議所が関わる理由
  • 建設業の対象要件(従業員数)・対象経費・採択率の考え方
  • 申請方法の流れと、つまずきやすい注意点(交付決定・支払いなど)

1. 小規模事業者持続化補助金の定義(公的定義)と商工会議所の位置づけ

小規模事業者持続化補助金は、ざっくり言うと「販路開拓の取り組みにかかった費用の一部を国が補助する」制度です。公募要領では、経営計画に基づく販路開拓と、併せて行う業務効率化(生産性向上)を支援するとされています。

公募要領にある制度の“公的な定義”

公的な説明として分かりやすいのは、次の表現です。

「販路開拓等の取組の経費の一部を補助」

つまり、補助金の対象は「広告を出した」「展示会に出た」「サイトを作った」といった単発の支出だけではありません。自社の強みや顧客を整理し、売り方を変える“計画”がセットで求められます。

商工会議所・商工会が関わる理由

ポイント① 伴走支援で「計画の精度」を上げる

この制度は、地域の商工会議所(または商工会)が事業者の計画づくりを支援する設計です。申請の過程で、地域の窓口に「事業支援計画書(様式4)」の作成依頼を行い、交付を受けます。

ポイント② 管轄(商工会議所地区/商工会地区)で窓口が分かれる

同じ補助金でも、事業所の所在地によって「商工会地区」と「商工会議所地区」に分かれ、サイトや問い合わせ先が異なります。まずは自社がどちらの管轄かを確認し、早めに相談するのが安全です。

2. 小規模事業者持続化補助金の背景・目的

小規模事業者は、地域の雇用や取引の“要”になりやすい一方、投資余力が限られがちです。そこで、販路を広げたり、付加価値を上げたりする投資の一部を補助して、事業の持続性を高める狙いがあります。

制度変更(物価高騰・賃上げ・インボイス等)への対応を後押し

公募要領には、制度変更への対応として「物価高騰、賃上げ、インボイス制度の導入等」が明記されています。時代の変化でコスト構造や取引条件が変わる中、売り方の見直しを促す位置づけです。

⚠️ 補助金は「後払い」が原則です

実務で重要なのは、補助金が先にもらえるわけではない点です。採択後も手続きがあり、自己資金で立て替えて実施し、実績報告を経て交付されます。

建設業にとっての“目的”は「受注導線づくり」と相性がよい

建設業(工務店、改修・設備、外構など)は、紹介や相見積もりが中心になりやすく、集客導線が属人的になりがちです。チラシ・看板・Web・展示会などを組み合わせて「問い合わせが来る仕組み」に寄せると、制度の趣旨に沿った計画になりやすいです。

3. 小規模事業者持続化補助金の具体的な内容(建設業の要件・採択率・対象経費・申請方法)

ここからは、申請の合否に直結する「対象者」「補助上限・補助率」「対象経費」「申請方法」を整理します。読みながら、自社の計画に当てはめてみてください。

対象者:小規模事業者の要件(従業員数)と建設業の考え方

小規模事業者かどうかは、法律に基づき「業種ごとの従業員数」で判断します。建設業は一般に「製造業その他」に該当するケースが多く、基準は常時使用する従業員で判定します。

業種区分 小規模事業者の目安(常時使用する従業員数)
商業・サービス業(宿泊業・娯楽業除く) 5人以下
サービス業(宿泊業・娯楽業) 20人以下
製造業その他(建設業はここに入ることが多い) 20人以下

なお「常時使用する従業員」は、労働基準法の考え方(解雇予告が必要な者)をベースにするとされています。パートや短期雇用が含まれるかは条件があるので、該当しそうな場合は商工会議所へ早めに確認しましょう。

補助上限・補助率:通常枠+特例の基本

第19回公募(一般型・通常枠)では、補助上限は50万円、補助率は原則2/3です。賃金引上げ特例のうち赤字事業者は補助率3/4とされています

⚠️ インボイス特例・賃金引上げ特例は「要件未達だと全体が交付対象外」になり得ます

特例は上限の上乗せが魅力ですが、要件と手続きが増えます。公募要領では、特例の要件を満たさない場合に「上乗せ分だけでなく全体が交付対象外」となる可能性が示されています。

対象経費:対象経費(8区分)と建設業での使いどころ

対象経費は、機械装置等費、広報費、ウェブサイト関連費、展示会等出展費、旅費、新商品開発費、借料、委託・外注費の8区分です。ポイントは「販路開拓(売り方の改善)」に結びつく説明になっているかです。

経費区分 建設業での例 説明のコツ(審査の見せ方)
広報費 施工事例チラシ、現場看板、地域紙広告 狙う顧客層と配布・掲出場所まで計画に落とす
ウェブサイト関連費 サイト改修、LP制作、Web広告、施工動画制作 問い合わせ導線(フォーム・CTA)と計測指標を明記
機械装置等費 提案品質を上げる業務用機器、展示用設備 「販路開拓に必要」な理由を具体的に(提案力・見積速度など)
委託・外注費 販促物制作の外注、店舗(事務所)導線の改修 成果物(何が納品されるか)を見積書で明確にする

ウェブサイト関連費は便利ですが、申請額に上限があります。公募要領では、ウェブサイト関連費の申請額は「補助金交付申請額の1/4(最大50万円)」とされています。

また、建設業の提案で使う3次元CADなど、特定業務用ソフトが対象になり得る例も挙げられています。単なる事務ソフトではなく、販路開拓や生産性向上に結びつく説明が重要です。

IT投資を検討している場合は、目的と経費の性格によって別制度(IT導入補助金など)を比較すると計画が立てやすくなります。

採択率:数字の見方(回次で変動する)

採択率は公募回ごとに変わり、固定の答えはありません。たとえば第17回では、申請数23,365件に対し採択数11,928件が公表されており、単純計算で採択率は約51%です。

ただし、これは「その回の結果」です。自社の採択可能性を上げるには、採択審査の観点(自社分析、方針、実現可能性など)に沿って書くことが近道です。

申請方法:商工会議所との進め方を含む全体フロー

申請は電子申請のみで、郵送申請は受け付けないとされています。また、申請にはGビズIDプライムが必要です。

  1. 公募要領で要件チェック
    業種・従業員数、対象外事業者に該当しないかを先に確認します。
  2. 経営計画を作る
    現状(強み・弱み)と、販路開拓の打ち手をセットで言語化します。
  3. 商工会議所(または商工会)へ相談
    様式4の発行に時間がかかるため、面談予約も含めて早めに動きます。
  4. 見積・仕様を固める
    採択後、交付決定までに見積書等の提出が求められるため、内訳が分かる形で準備します。
  5. 電子申請で提出
    締切日時までに入力・添付を完了します。
  6. 採択後も手続きが続く
    交付決定→事業実施→実績報告→確定・請求の流れを前提に、資金繰りも設計します。

4. 小規模事業者持続化補助金の注意点・よくある疑問(建設業の実務あるある)

実務での失敗は「要件を満たしていない」「証拠書類が揃わない」「タイミングを間違える」に集約されます。ここでは、建設業で起こりやすい論点をQ&A形式で整理します。

⚠️ 「採択=すぐ発注OK」ではありません(交付決定前の発注は要注意)

採択後にも交付決定の手続きがあり、そこから補助事業を実施する流れです。先に契約や支払いを進めると対象外になるリスクがあるため、スケジュールの読み違いに注意してください。

Q. 商工会議所に相談するのはいつが良い?

Q. 締切が近づいてからでも間に合いますか?

A. 様式4の発行受付締切が別に設定されているため、遅い相談は致命傷になりがちです。第19回では、申請締切が2026年4月30日に対して、様式4の発行受付締切は2026年4月16日と明記されています。

Q. 建設業の「対象経費」で落ちやすいのは?

Q. 何でも「販促のため」と言えば通りますか?

A. 通りません。たとえばウェブ関連でも「宣伝広告が目的ではない」「内容が不明確」「補助事業期間内に公開できていない」などは対象外例として挙げられています。成果物・公開時期・効果測定までセットで計画に落とすのが安全です。

Q. 採択率を上げるために、どこを改善すべき?

Q. 文章が苦手で、計画書の出来が不安です。

A. 採択審査では、基礎審査(要件充足・整合性)と計画審査(分析・方針・実現可能性など)が示されています。建設業なら「どの顧客層に、どんな提案で、どう受注に繋げるか」を数字や導線で具体化すると評価されやすい方向に寄せられます。

Q. 他の補助金(IT導入補助金など)と併用できる?

Q. 同じ内容で両方に出せますか?

A. 同一内容を重複して補助対象にするのは基本的に不可です。目的と経費を分けて設計し、同じ支出を二重計上しないのが鉄則です。不明な場合は事務局へ事前確認が推奨されています。

5. まとめ:小規模事業者持続化補助金を建設業で活かすコツ

  • 小規模事業者持続化補助金は「経営計画に基づく販路開拓」を支援する制度
  • 建設業は「製造業その他」で従業員数20人以下が目安。まず要件確認が最優先
  • 対象経費は8区分。ウェブ関連は申請額の1/4上限などルールを押さえる
  • 採択率は回次で変動。審査観点に沿って「狙う顧客」「導線」「効果」を具体化する
  • 商工会議所(または商工会)の様式4が必須。締切より前に相談・面談予約する

会社概要

AITech (アイテック) は、生成AIの最先端技術を駆使して、 建設業界の変革を目指すAIスタートアップです。東京大学の松尾豊研究室発として、画像解析AIなどの 独自AI技術をベースとし、御社の業務効率化と自動化を通じた人手不足の解消を支援します。

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