【CLT工法の具体例】ホテルや学校で採用される理由とは?実例と詳細メリットを解説

はじめに

近年、環境配慮やSDGsの観点から木造建築が見直されていますが、中でも 「CLT(直交集成板)工法」 は、従来の木造の枠を超えた建築技術として注目されています。実際に、国内でも高層ホテルや大型商業施設など、 具体的な採用事例 が急増しています。

今回は、CLT工法が実際にどのような建物に使われているのか、その 「具体的な活用事例」 と、なぜその用途で選ばれているのかという 「詳細な理由」 を深掘りして解説します。

検討中のプロジェクトにCLTが適しているか、具体的な判断材料としてご確認ください。

木材の画像イメージ
CLT工法、従来の木造建築との違いとは?

本文

1. CLT工法の具体的な活用シーン

CLT工法が選ばれる建物には、明確な傾向があります。大きく分けて 「工期短縮が利益に直結する商業施設」と「大空間が必要な公共施設」 の2つです。

🔹ホテル・集合住宅での活用

現在、CLT工法が最も積極的に採用されている分野の一つが、中高層のホテルやマンションです。

  • 基本構造: 1階部分を鉄筋コンクリート造(RC造)とし、2階以上の客室部分をCLTパネル工法で組み上げる 「混構造」 が主流です。
  • 特徴: RC造であれば完成までに1年以上かかる規模でも、CLTパネルを使用することで 数ヶ月単位での工期短縮 が可能です。
  • 実例: 「変なホテル」などの先進的なホテルチェーンや、社員寮などで採用が進んでおり、 早期開業による収益化 を実現しています。
🔹学校・幼稚園・公共施設での活用

文部科学省も推奨している「学校施設の木造化」において、CLTは最適なソリューションとなっています。

  • 基本構造: 大判のパネルを使用することで、教室や体育館などの 柱の少ない大空間 を実現します。
  • 特徴: 軸組工法が「線」で支えるのに対し、CLTは 「壁と床の面」で支えるため、耐震性を確保しながら自由な間取りが可能 です。
  • 効果: 木材の調湿効果や吸音効果により、子供たちが過ごしやすい教育環境を作り出せます。
2. 用途別:導入の具体的メリット

CLT工法を導入することで得られる具体的なメリットがこちらです。

🟦 商業・ビジネス施設におけるメリット
特徴詳細
開業スケジュールの前倒しすべての部材が工場でプレカット(事前加工)されて現場に届くため、現場作業が組み立て中心となり、RC造と比較して 工期を3割〜5割程度短縮 できるケースがあります。これにより、早期のビジネススタートが可能です。
有効面積の拡大柱型(柱の出っ張り)が出ない壁式構造のため、ホテルの客室やオフィスのレイアウトにおいて、 デッドスペースを無くし、部屋を広く使える という大きな利点があります。
デザインによる差別化木の表面をそのまま見せる「現し仕上げ」にすることで、内装工事費を削減しつつ、 「木のホテル」「環境配慮型オフィス」というブランド価値 を付加できます。
🟦 公共・教育施設におけるメリット
特徴詳細
高い断熱性能コンクリートの約10倍、鉄の約400倍といわれる木の断熱性能に加え、分厚いパネル(90mm〜210mm等)を使用するため、 魔法瓶のような保温性 を発揮し、冷暖房等のランニングコストを削減します。
レジリエンス(災害対応)軽量であるため地震力がかかりにくく、実大実験でも 震度7クラスの揺れで倒壊しない 高い耐震性が実証されています。避難所となる公共施設に適しています。
3. 導入前に知っておくべき具体的な課題

CLT工法には、特有の施工条件やコスト構造といった注意点があります。

🚨 計画段階での具体的なハードル
難点詳細
敷地条件の制約枠組壁工法に比べ、さらに巨大なパネル(最大幅3m×長さ12mなど)を搬入する必要があるため、 大型トレーラーや大型クレーンが進入・設置できる道路幅と敷地 が必須となります。
設備計画の早期決定パネルの配管用の穴などは工場出荷時に空けられるため、着工前の設計段階で コンセントやスイッチの位置、配管ルートを1mm単位で確定 させる必要があります。現場での変更はほぼ不可能です。
コスト構造の違い単純な材料費だけを見ればRC造より高くなる場合があります。 「工期短縮による人件費削減」や「基礎工事の縮小(建物が軽いため)」 を含めたトータルコストで比較・検討する必要があります。
4. コストと工期の実例比較

以前は「木造は安い」と言われていましたが、CLTに関しては少し事情が異なります。しかし、場合によって費用の逆転現象も起きています。

✅ 基礎工事費の削減具体例

CLT建築は、同規模の鉄筋コンクリート造(RC造)に比べて 建物重量が約1/4〜1/5 と非常に軽量です。 これにより、軟弱地盤であっても 杭工事が不要になったり、基礎のボリュームを大幅に縮小 できたりするため、地盤改良費を含めた足回りのコストを数百万円単位で削減できる具体例が多くあります。

✅ 補助金の活用

国はCLTの普及を推進しているため、国土交通省や林野庁、環境省などから CLT活用に特化した手厚い補助金 が用意されています。 結果的に一番大事なのは、 これらの補助金制度を設計段階からうまく組み込めるかどうか なのです。補助金を活用することで、実質的な建築コストを従来の工法と同等、あるいはそれ以下に抑えることも可能です。


まとめ

今回は、CLT工法の 「具体的な活用事例」 と、そこから見える 「詳細なメリット・課題」 についてご紹介しました。

ホテルや商業施設 では「工期短縮による事業性の向上」、 学校や公共施設 では「大空間と環境性能の両立」という強みがあります。

家づくりや施設建設を検討する際には、単なる坪単価の比較だけでなく、 「工期短縮がもたらす利益」や「基礎工事費の削減額」、「補助金の有無」 を試算し、総合的なコストパフォーマンスで判断することが大切です。

例えば、意匠性と構造強度を両立させるために、一部に鉄骨を使用するハイブリッド工法など、 適材適所の設計 も進化しています。具体的なプランニングについては、CLTの実績が豊富な専門家や施工会社に相談し、詳細なシミュレーションを行うことをお勧めします。

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